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アウトドア日和

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冬場はテーマを持って低山へ

冬場はテーマを持って低山へ

11月中旬は、秋山シーズンから冬山シーズンへの移行期。登山バスの営業が終わり、標高の高い山々ではアクセスする道路が閉鎖されたり、山小屋の営業が終了したりします。それでなくても冬山用のウェアやさまざまな装備はコストが高くつくので、どうしても山から足が遠ざかります。そこで、まだ登っていない3,000m級の山々は来年の楽しみにとっておくことにして、この冬も近場の低山を中心に山行計画を立てることにします。ただし、これまで奥多摩や秩父、丹沢の主要ルートはほとんど歩いたので、何か特別なテーマを設定しないとマンネリに陥ってしまい楽しみが広がりません。
今回の山行に選んだのは、丹沢の鍋割山(△1,272m)から塔ノ岳(△1,491m)への周回ルートです。ここも何度か歩いたところなので、次のようなテーマを新たに設定しました。

1) 鍋割山荘まで10kgのボッカのボランティア
 鍋割山荘では、林道の終点の一画に水道水の入ったペットボトルを置いていて、
 通りかかったハイカーに山荘までのボッカ(荷揚げ)のボランティアを募っています。
 これは重装備登山のよい実地訓練になります。前回は2リットルのペットボトルを
 4本(8kg)を運んだので、少し負荷を増やすことにします。

2) 塔ノ岳で温かい「うな丼」を食べる
 山での携行食はたいていフリーズドライの米飯だけなのですが、たまにはもう少し
 気の利いたものを食べたいと思います。うなぎとご飯を持参して、それを火を使わず
 に温めて食べることに挑戦です。うまくいけば、ウルトラライトハイキングに応用
 できるかもしれません。

3) 行き帰りのバス・電車の中で山岳ミステリー小説を読む
 いつも単独行なので、移動の時間を持てあまし気味です。気楽に読める山岳
 ミステリー小説で、一日中、山の雰囲気に浸ろうと思います。

林道終点のペットボトル集積場スーパーで買ったうなぎのパック山岳ミステリー小説『密閉山脈』
林道終点のペットボトル集積場スーパーで買ったうなぎのパック山岳ミステリー小説『密閉山脈』

キューシート・コマ図ケース新宿から小田急線の始発で神奈川県の渋沢まで1時間半、さっそく図書館で借りてきた森村誠一著『密閉山脈』を読み始めます。これは一昔前の山岳ミステリー小説で、お定まりの人物設定とストーリー展開で、起き抜けのぼんやりした頭にちょうどいい内容です。おかげで、気づいたらもう渋沢に到着です。ここからバスで登山口の最寄りの大倉バス停まで行き、7時過ぎには最初の目的地である鍋割山に向かいます。今回のルートはよく知っているのでGPSナビは持たず、地図もザックに入れたままです。この時、バス停の自販機で水分を買い忘れたことに気づきます。喉が渇いてどうしようもないときは川の水を飲めばいいし、小屋に行けば水はあると考えて、そのまま先に進みます。
この日の天気予報は曇り時々晴れということですが、空には厚い雲がかかり、その一部は山の頂上付近にもかかっています。ただし、気温はそれほど低くはないので、長袖Tシャツにゴアテックスのレインウェアだけで十分です。
序盤に5kmあまり続く西山林道は、四十八瀬川に沿ったなだらかな登り基調の比較的広い道です。片側が開けているので、一般的な樹林帯の登山道よりもずいぶん解放的に感じます。鮮やかな紅葉の時期はもう終わったようで、落ち葉も目立ちます。
小さな沢を二度ほど渡り、林道が終わったところから本格的な登山道が始まります。ここにはハイカーのグループが休んでいて、近くにはボッカ用のペットボトルが置いてあります。彼らもボランティアで水を運ぶのかと思ったら、そのままスルーして登山道を登っていきます。よく見ると、水のボトルに混じって「つゆの素」というラベルのボトルもあります。おそらく、これが鍋割山荘名物の「鍋焼きうどん」に使われるのでしょう。1リットルのボトルが8本あったので、これに2リットルの水をプラスして10kgの荷物を運ぶことにします。かなり汗をかきそうなので、ここでレインウェアは脱ぐことにします。
登山には今ひとつの天気四十八瀬川沿いの西山林道林道の終点
登山には今ひとつの天気四十八瀬川沿いの西山林道林道の終点

記憶では、林道の終点から後沢乗越までの急登はかなりきつい区間のはずですが、10kgのハンデがありながらスムーズに通過し、先ほどのハイカーも追い越します。ところが、意外にきついのが鍋割山までの尾根道です。傾斜はそれほど急ではないものの、ニセピークが3回くらい続くので、そのたびに気を引き締めなければなりません。そして、最後のニセピークに差しかかったあたりで、前方に背負子に大きな荷物をくくりつけた本物のボッカに追いつきます。その姿から、鍋割山荘の主人と思われます。山荘のサイトによると、過去最重量の荷揚げは100kg超で、今でも平均60kgの荷揚げをしているそうです。この日、「つゆの素」はこちらが運んでいるので、主人はうどんの麺や野菜、ビール(?)などを運んでいるのでしょうか。荷物の重さが違うので山荘の少し手間で追いつき、先行させてもらいます。以前に鍋割山に登ったときもこれとまったく同じ光景を見たので、いつもこの時間にボッカをしているのかもしれません。最後の階段を上りきると、ようやくガスの中に鍋割山荘が見えてきます。「鍋焼きうどん」と書かれた旗もすでに外に出されています。
鍋割山までの尾根道本物のボッカに追いつく鍋割山荘に到着
鍋割山までの尾根道本物のボッカに追いつく鍋割山荘に到着

鍋割山では雨は降っていないものの、ベンチもテーブルもしっとりと濡れています。さっそく山荘に水と「つゆの素」を届けて、今回のもう1つのテーマをクリア。最後のテーマである温かい「うな丼」の準備をします。といっても、うなぎの蒲焼きと白米のパックにホカロンを貼りつけ、アルミ製の保温袋に入れるだけです。これで、次の目的地である2.8km先の塔ノ岳に着いたときには、食べ頃になっているはずです。
ザックの中身をいきなり10kg減量したおかげで、体が軽く感じられ足取りは快調です。一方、尾根に北から吹いてくる風が冷たいので、レインウェアのフードをキャップの上からかぶって頭部全体を保温するようにします。手袋をした指先も最初は冷たく感じられますが、体を動かしているうちに血流がよくなったようで、気にならなくなります。
荷揚げ終了うな丼の準備冷たい風の吹く尾根道
荷揚げ終了うな丼の準備冷たい風の吹く尾根道

塔ノ岳には鍋割山を出てからちょうど1時間後に到着。あたりはガスに包まれて、山頂に建つ尊仏山荘の建物もぼんやりとしか見えません。ここで休憩中のハイカーの数も10人前後です。ここでさっそく準備しておいた「うな丼セット」を取り出してランチタイムとします。ところが、残念なことに、うなぎも白米もまったく温まっていません。冷えても味は問題ないだろうと思って食べてみると、うなぎがかなり硬く感じます。やはり、電子レンジで十分に温めないと、お店で食べるような柔らかさは出ないようです。仕方なく、栄養補給と割り切って食べ始めると、それまで他のハイカーに愛嬌をふりまいていたネコが近寄ってきて、ベンチにこぼれたうなぎのタレをなめ始めます。
塔ノ岳の頂上へうな丼のランチ(赤ワイン付き)めざとく寄ってきたネコ
塔ノ岳の頂上へうな丼のランチ(赤ワイン付き)めざとく寄ってきたネコ

冷えた「うな丼」を全部食べる気はなくなっていたので、このネコに残飯整理をしてもらうことにします。ネコは驚くほどの食欲で、残ったうなぎを完食。近くにいた人の話では、このネコは多くのハイカーからエサをもらうので、ずいぶん太っていて、時にはハイカーの連れてきたイヌにけんかを売るとのこと。温かい「うな丼」を塔ノ岳で食べるというテーマは期待はずれだったので、「塔ノ岳のネコにうなぎを食べさせる」というテーマに急ぎ変更することにします。個人的には、これが今回のメインテーマのように感じます。
うなぎをおねだりネコ夢中あっという間に完食
うなぎをおねだりネコ夢中あっという間に完食

ランチを終えたらあとは下山するだけなので、塔ノ岳から最短ルートで下れる大倉尾根を使います。高度を下げてもしばらくはガスっていますが、時折、雲間からわずかだけ日が指すようになります。眺望を楽しめる天気ではないのでハイカーの数は少なめですが、走るにはちょうどよいコンディションなので、トレイルランナーの姿がよく目につきます。
丹沢特有の長い木道や、細かい石でガレている道は歩きにくいものの、ダブルストックでリズムをとりながら順調に下っていき、平坦な尾根道ではなるべくジョギングペースで進みます。下山中の何人ものハイカーに追いつくごとに道を譲ってもらいますが、ザックに付けている熊鈴はクマ避けというよりも、ハイカーに後ろから人が急接近していることを知らせる役目を果たしています。ゴール地点の大倉バス停には、午後1時少し前に到着。帰りの電車の中でも、山岳ミステリー小説のおかげで退屈せずにすみました。
ガスの多い大倉尾根歩きにくい尾根道大倉の塔ノ岳登山口にゴール
ガスの多い大倉尾根歩きにくい尾根道大倉の塔ノ岳登山口にゴール

■ 距離:約19.7km
■ 積算標高差:上り 約2,366m/下り 約2,057m
■ 時間:5時間49分/標準コースタイム(540分)の66%
■ 行程
 大倉バス停(7:04)-二俣(8:06)-林道終点(8:23)-後沢乗越(8:48)-鍋割山(9:43/9:56)-
 大倉分岐(10:41)-塔ノ岳(10:55/11:13)-花立山荘(11:32)-堀山の家(11:52)-
 駒止茶屋(12:05)-見晴茶屋(12:23)-観音茶屋(12:37)-大倉バス停(12:53)

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